世田谷文学館で開かれている「浦沢直樹展」に行った。
浦沢直樹の作品は「MONSTER」と「20世紀少年」を読んだことがある。20世紀少年は最後の巻まで集めておらず、連載当時にスピリッツで立ち読みしていただけなので、結末が曖昧だが‥。MONSTERは僕が高校2年生の時、父が痔で入院した際に買い集め、読み終わっては病院にいる父へ差し入れた、というのを覚えている。
この2作品しか読んでいないので「自分は浦沢直樹が大好きだ」と大手を振るわけにはいかないが、MONSTERの浦沢直樹を僕は好きである。浦沢直樹は「風呂敷を広げるのは上手いが回収が下手」と揶揄されていて、20世紀少年などはその典型だと思っている。20世紀少年を面白いとは、あまり思わない。
しかしMONSTERは、僕がそれまで触れたことのなかったサスペンス・ミステリー調の漫画であり、題材に分裂した東西ドイツというエッセンスを加えて写実性を持たせているのが新鮮だった。読むほどに謎が深まり、先の読めない展開にどんどん引き込まれていった。また、怪物ヨハン・リーベルトをはじめとして、それぞれのキャラクターが立っているのも魅力だった。
これら2作品をはじめとした浦沢直樹全作品のネーム・原画・設定画などが展示されていた。個人的には、浦沢直樹の幼少~学生時代~プロになるまでの、様々な落書き・大学ノートに書かれた漫画までが展示されていたのが興味深かった。小・中学生の頃のタッチは、ほとんど手塚治虫のマネッコである。それが大人になると、どことなく大友克洋の影響を受けているようなタッチになっていった。
そういえばGOが「MASTERキートン」が面白いと言っていたのを思い出した。機会があったら読んでみよう。