日韓国交正常化50周年を記念して、日本と韓国それぞれの国宝である半跏思惟像を展示する催しが、東京国立博物館で開かれていた。開催期間は6月21日から7月10日までのわずか2週間とちょっとである。檸檬を誘って見に行くことにした。
夕方に上野駅で檸檬と合流した。誘われない限り、仏像などまず見に行かないと彼は言っていた。僕も仏像に興味があるわけではないが、二国の国宝が揃う場は滅多になかろうと思った。東京国立博物館にいつか行こうとも思っていたので、よい機会だったのである。
半跏思惟像は、日本側は7世紀のもの(中宮寺)・韓国側は6世紀のものとのことだった。文字どおり2体だけの展覧会で、数分で見終えてしまい、僕達はいささか豆鉄砲を食ってしまった。常設展もさらりと見たあと、博物館を出た。
その後、焼肉を食いたいという話になって、上野駅近くの焼肉屋に入った。肉という肉を久々に食べた気がした。うまかったが、二人で1万3千円も取られてしまい、またも豆鉄砲を食ってしまった。
さらにダーツバー、居酒屋、そば屋をハシゴし、贅を尽くした。居酒屋では急に気分が悪くなって、トイレで吐いてしまった。
嵐の前のなんとやら、この休日は後にやってくる激務の前の最後の贅沢のような気がした。