12月13日にこれを書いている。11月5・6日は、檸檬と栃木県那須郡にあるキャンプ場「サンタヒルズ」へ行った。今回は写真をほとんど撮っていないので、ここに掲載する写真はAから貰ったものである。
8時半、僕の住む宿舎に集合。近くのガソリンスタンドでレンタカーを借り、キャンプ道具を詰め込んだ。
最初の運転は檸檬からだった。彼は実家に帰った際に運転することがあるらしい。まずキャンプ場の前に、僕のかかりつけの心療内科へ行くため、新宿へ向かってもらった。いきなり新宿の迷路を運転させる羽目になって彼には申し訳なかった。途中のセブンイレブンで100円のホットコーヒーを買い、それを飲みながら気長に進んだ。僕はコンビニのマシンで淹れるコーヒーを飲んだことがなかったので、意外な美味しさに感動してしまい、時代は進んだと彼にぼやいたりしていた。
心療内科の所用を終えたあと、いよいよ首都高へ。新宿の下道をぐるぐると迷った分、首都高に入った時はお互いにほっとした。
東北自動車道を進み、檸檬が1時間ほど運転したところでSAに入った。運転交代である。僕は3年近くハンドルに触れていなかったので、もしかしたら運転の仕方を忘れてしまったのではないかと不安に思ったが、いざ運転席に座ると自然と手足が動いたのは面白かった。ここから那須高原まで僕の運転で行く。
さらに1時間ほど運転したところで高速を下りた。キャンプ場の近くに適当なスーパーを見つけ、酒や食料を大量に買い込んだ。檸檬が「そんなに食うか?」と怪訝そうな顔をしていた。
「サンタヒルズ」に着いたのは少し遅い15時。森の中の一画にサイトが充てがわれた。僕達はとりあえずテーブルとチェアだけ設置し、さっそくビールを開けて乾杯した。
タープ・テントを設置したところで少しずつ寒くなってきたので、焚き火を始めることに。しかしキャンプ場から買った薪にまったく火が着かない。驚くほど火が着かず、正直言って「着火に苦労した」ということが、このキャンプでいちばんの思い出になった。はじめ、広葉樹の薪を買っていたので、火が着かないのも無理ないかと諦め、針葉樹のものを買い直した。が、これもまたまったくく火が着かない。これほどにまで着火に苦労したことが今までにあったろうか。1時間以上格闘してようやく火が安定した時には、疲れがどっと出てしまった。
夕飯は、寒いので無難に鍋にした。燻製にも挑戦し、ポテトサラダやゆで卵を燻製してみたが、ことごとく失敗してしまった。ビールが無くなった後は、昨年11月に熊本でキャンプをした時にうまかったジャックダニエル・テネシーハニーのお湯割りを飲んだ。あたりは暗くなり、焚き火の明かりをひたすら見ていた。檸檬がかけていたラジオの音がか細く響いていた。ジャックダニエルが最高にうまかった。
23時ごろに寝ただろうか。夜中、雨のような音が聞こえ慌てて起きてテントから飛び出したが、木々の葉が揺れる音だった。
7時ごろに起き、昨晩の鍋のダシを温めておじやにして食べた。コーヒーがうまかった。
レンタカーの返却期限が迫っていた我々は、早々に撤収作業をしてサンタヒルズを後にした。まずは僕の運転で高速道路に入り、どこかのSAで交代。檸檬の運転で東京に戻り、ガソリンスタンドで車を返却した。
檸檬にとって今回が初めてのキャンプだった。この日のためにシュラフやチェア、バーナーを買って準備してくれた。キャンプに来てくれた友人には、いつも次のようなことを伝えている。『キャンプはラーメン二郎のようなものだ。帰ってすぐの時は疲れて「しばらくはいいや‥」という気分になるが、時間が経つとまた行きたくなるんだ』。彼に楽しんでもらえたのならなによりである。また次回も参加してほしいと思う。