晩白柚です。
昨年10月からお送りしているフランス一人旅行記は8回目になりました。物語は終盤に差し掛かっています。前回はモン・サン・ミッシェルから戻ったパリで、謎の1ユーロ=宿泊税を支払ったところまで書きました。
今回はパリ屈指の美術館・オルセーに足を運び、ついに我慢できなくなった晩白柚がラーメンを食べます。いよいよオチのない記事になりつつありますが、お付き合いください。
印象派好きなら!オルセー美術館
この日に泊まるホテル「レジデンス・ヴィリエ」に荷物を置き、時刻は18時前。そろそろ夕飯に出てもいい頃ですが、この日は木曜日。木曜日はオルセー美術館が21時まで開館していると聞いていた僕は、腹を満たす前にオルセーで美的好奇心を満たすことにしました。
上の写真はオルセー美術館を正面から撮ったものですが、なんとなく駅っぽくないですか?そう、オルセー美術館はもともと駅だったのです。1900年のパリ万国博覧会の開催に合わせ、オルセー駅の駅舎としてお披露目されました。それから第二次世界大戦中はドイツ軍の司令部が置かれたり、戦後劇場になったり、なんやかんやいろいろあって1986年に美術館として再出発したという経緯があります。
如上のとおり比較的新しい美術館です。ルーブル美術館が19世紀中ごろ以前の美術品を所蔵しているのに対して、オルセーはそれ以降~20世紀初頭までの作品がコレクションされており、棲み分けがなされています。必然的に印象派・ポスト印象派の作品が多いような気がします。
僕は印象派、とりわけオーギュスト・ルノワールの作品が好きなのですが、パリを旅したこの頃は印象派のことをまだほとんど知らなかったので、そのほとんどを流し見してしまい、いずれの作品もまったく印象に残っていないのが悔やまれます。
ルノワールのことを言えば、著名な大作「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」や、僕がいちばん好きな「ぶらんこ」などが所蔵されています。が、見たはずなのですがほぼ記憶にありません‥。これら2作品はのちに東京で開催された美術展で観ることになるのですが、それはまた別のお話。
オルセーでは写真をまったく撮っていないのですが、唯一ハゲたおっさんの作品だけ衝動的に写真に収めていましたので、ここにそっと添えておきます。
パリで本格的ラーメン ひぐま
オルセーも閉館してしまい、時刻は21時。外はぽつぽつと雨も降り始め、すさんだ心はますます空腹を加速させます。しかし、パリ滞在も5日を経過して、いよいよ日本食が恋しくなってきました。いや、明後日は日本への帰路へ着くので、少し我慢すればおいしい日本の食事が待っているのですが、「パリの日本食ってどうなんだろう?」という素朴な疑問が好奇心を掻き立てます。
さっそくグーグルに「パリでいちばんおいしいラーメン屋は?」と聞いてみます。いやはや、”いちばんおいしい”なんて甲乙つけられないとは思いますけれども、グーグル先生の示唆した答え、それがピラミッド駅からほど近い「ひぐま」さんです。
ひぐまはパリで最初にオープンしたラーメン屋とのこと。入り口には赤い暖簾がかかり、店の内観はいかにも日本のラーメン屋をそのまま持ってきましたという具合の、よくも悪くも汚い感じのお店です。
さすがパリ初のラーメン屋、味のラインナップはかなり豊富です。しょうゆ、みそ、しお、(パリでは受け入れられないのかとんこつはない)、はたまたざるそばやちゃんぽんまであります。
注文したのはこちら。
- チャーシュー麺(€8.5)
- 餃子(€6)
- ハイネケン(€4)
しめて18.5ユーロ。餃子がちょっと高い気もしますが、物価の高いパリにおいてこの値段はかなり良心的だと言えます。なお、括弧の中の価格は2015年のもので、現在はもう少し値上がりしているようです。
まずはハイネケンと餃子で乾杯。日本食のお店なのに深い思慮もなくハイネケンを選んでしまいました。もちろんキリンやアサヒ、日本酒などもあります。日本のラーメン屋だとべちゃべちゃした餃子を出されて興ざめすることもあったりしますが、パリパリしていておいしいです。
餃子を楽しんでいるとチャーシュー麺がやってきます。ベースはしょうゆです。日本のラーメン屋に慣れているわれわれとしては、格別にうまい、というほどでもないのですが、パリで食べる安心感もあって普通においしいです。
帰りにレジのおばちゃん(日本人)に「日本の味が恋しくて来てしまいました」と言うと、「ふふふ、美味しかったでしょ」と笑っていらっしゃいました。
HIGUMA
【住所】32bis Rue Sainte-Anne, 75001 Paris
【TEL】+33147033859
【ウェブサイト】http://higuma.fr/
【営業時間】コロナウイルスの影響か現在は休業中のようです
長かったフランス一人旅行記もついに次回が最終回です。次回はルーブル美術館に足を運び、パリを離れます。最後までお付き合いいただければ幸いです。長くなりましたので、また次回。
(2015年9月24日)