3週間ぶりの更新となる今回は前回に引き続き、カナダの酒に関する記事です。
2月の終わりごろ、先生(id:ykan1111)がTwitterで「参考にするので、カナダのビールのまとめ記事をお願いします」とおっしゃって、僕も「いっちょ書いてみるか」としこしこまとめていたのですが、実は2月なかばに語学学校を卒業してから1か月間仕事が見つからず、プータロー状態だったので「プーなのに酒飲んでる記事なんて出したら俺はクズヤローだ」と思いがよぎり、公開できませんでした。
しかし僕の記憶が正しければ、先生は2月か3月までしかカナダにいないと昔の記事に書いていらっしゃったので、早くこの記事を公開しなければと勝手に義務感に苛まれました。いつまで続くかわかりませんが、ようやく仕事が見つかったので(これについてはおいおい記事にします)、公開させていただきます。
というわけで、僕がひとり暮らしを始めてから飲んだビール達のレビューです。
STEAM WHISTLE(スチーム・ホイッスル)
一発目はトロントがお膝元のブルワリー、スチーム・ホイッスルのクラフトビール。麦芽とホップしか使っていないはずですが(日本のクラフトビールにはオレンジピールやコリアンダーシードを使っているものもありますね)、いったい何を使ったらこんな味が出るんだろう、という香ばしい風味を感じます。苦くはないけれど少しクセがあります。缶には「PRIME PILSNER(プライム・ピルスナー)」と銘打たれていて、プライムビールを自称しているものの、好みが分かれるところだと思います。
ALEXANDER KEITH’S INDIA PALE ALE(アレクサンダーキースズ・インディアペールエール)
ハリファックスの市長だったアレクサンダー・キースが創設した伝統あるブルワリーです。IPAなのでかなり苦いのかと構えてしまいますが、想像より苦くないです。ネット上ではIBU(苦味指数)20としているサイトも見かけます。どちらかというと後味すっきりです。アルコール度数もIPAにしては低めの5%。IPAという感じはあまりしないですね。IPAが苦手な方にもおすすめです。
STEAMWORKS FLAGSHIP IPA(スチームワークス・フラグシップ・インディアペールエール)
バンクーバーのブルワリー、スチームワークスのインディアペールエール。前述のアレクサンダーキースと違い、こ、これぞIPA!と思わせる典型的なIPAの風味と苦味を醸しています。IBUは65でかなり苦いです。缶に「フラグシップIPA」と銘打っているとおり、IPAといえばこれ、といっても過言ではないかもしれません。アルコール度数もIPAよろしく6.7%。IPAを飲んでみたいという方にはまずこれをお勧めするのがよいでしょう。
WHITEWATER BREWING Class V IPA(ホワイトウォーターブルーイング・クラスファイブIPA)
オタワのブルワリー、ホワイトウォーターのインディアペールエール。IBUは72で、上のスチームワークスよりさらに苦いです。いつまでも舌先に苦味が残ります。しかしスタウトにも似た独特の香ばしさがほのかに香る不思議なIPAです。アルコール度数は5.5%と平均的。ホワイトウォーターはIPAのほかにも色々と発売しているので、試してみたいですね。
BENCH BREWING BALL’S FALLS SESSION IPA(ベンチブルーイング・ボールズフォールズ・セッションIPA)
非常にシンプルなデザインのラベルが特徴のインディアペールエール。口に入れて最初はじわりと苦味が広がりますが、飲み込んだあとはすっきりとしたのどごしです。前述のアレクサンダーキースより苦く、スチームワークスのフラグシップより苦くない感じです。ドライなIPAを試したい方におすすめ。
Naughty Neighbour(ノーティー・ネイバー)
オンタリオ州のブルワリー、ニッケルブルックブルーイングのアメリカンペールエール。缶に描かれたお姉さんがなんとなくエロいので買ってみました。ペールエールらしい柑橘系の風味と、一瞬じわりと舌に広がる苦味が特徴です。IBUは38で、少し苦いですがいつまでも舌に残る苦さではないです。「A FULL BODIED」と銘打たれているとおり、とても風味豊かな印象です。アルコール度数は4.9%。
ちなみにビールの名前にある「naughty」とは、スラングで「Sっぽくてエロい」という意味があるそうです。「フルボディで少し苦い風味豊かなエロい隣人」。名実ともにエロいビールです。
Mill St. TANKHOUSE ORGANIC ALE(ミルストリート・タンクハウス・オーガニックエール)
赤色のビールというかわったペールエール。LCBOのサイト曰く「ナッツ・レーズン・焼いたスパイスの香りがする」とのことで、ペールエール独特の柑橘系の香りのほかに、実際よくわからない不思議な風味がします。「オーガニック」エールとはまさにこのことを言っているのでしょうか。アルコール度数は5.2%。
Mill St. ORIGINAL Organic LAGER(ミルストリート・オリジナル・オーガニックラガー)
ミルストリートのラガービール。なんの変哲もないラガーですが、上のミルストリートのエールと同じく、よくわからない不思議な風味がかすかにします。LCBOのサイトに「floral-herbal aromas(花・ハーブの香り)」とあるのはこのことを言っているのでしょうか。「オーガニック」ラガーというだけに、日本にはない風味を醸しているビールです。
MOOSEHEAD LAGER(ムースヘッド・ラガー)
ペールエールばかり飲んでいたのでラガーが飲みたい!と思い立って買ったビールです。日本のラガーほど苦味はなく後味すっきりですが、これぞラガー!という典型的な味がします。苦味がないので何杯でも飲めてしまえそうなビールです。ペールエールに疲れてしまった人におすすめ。アルコール度数は5%。
CREEMORE PREMIUM LAGER(クリーモア・プレミアムラガー)
前述のスチームホイッスルで匂うと書いた、香ばしい風味がこのビールでもほのかに香ります。苦味はほとんどなく爽快な飲み口です。「プレミアムラガー」という名前がついていますが、日本における「プレミアムラガー」とはまったく別物と言ってよいでしょう。アルコール度数は5%。
LAKER ICE(レイカー・アイス)
オンタリオ州のブルワリー、ブリックブルーイングのラガービール。値段がとにかく安く、473mlで2.15ドルとクアーズライトよりも安価です。が、苦味は少なくコクも感じません。安かろう悪かろうなビールだと思います。軽めな口当たりで安いビールを飲みたい人におすすめ。
SIDE LAUNCH WHEAT(サイド・ランチ・ウィート)
これまで紹介したビールとはかなり異質のビールです。LCBOのサイトいわく「熟したバナナピール・ゼストレモン・生焼けのパン・クローブ・ほのかなコリアンダーの香り」がするそうです。実際かなり甘い後味がします。が、苦いビールに慣れている人にとっては「うぇっ、何だこれ?」と感じる味がします。個人的にあまり好きではない味です。もう飲みません。
Coors LIGHT(クアーズ・ライト)
2月22日の記事(LCBOでお酒を買おう)でも紹介した「Canadian」を作っているモルソン社のビール。缶に「LIGHT BEER」と銘打たれているとおり苦味はほとんどなく、ものすごく軽い口当たりです。バドワイザーより軽いかも。日本のラガーに慣れている人は拍子抜けするかもしれません(言い過ぎか)。アルコール度数も4%と低いです。473ml缶で1本2.6ドルと安いのも魅力です。
Heineken(ハイネケン)
記事のタイトルに「カナダの」とか言いながらカナダのビールじゃなくてすみません。どうしても飲みたかったので‥。日本でもよく手に入るオランダのビールですね。適度な苦味と深いコク。ザ・ラガー、ザ・ビールの王道!という感じ。東京時代、オールナイトのフェスが行われた川崎のクラブチッタで5リットルぐらい飲んだことがあります。思い出深いビールです。
Corona Extra(コロナ・エクストラ)
これもカナダのビールじゃなくてすみません。説明不要のメキシコのビールです。個人的にインポートビールの中では一番好きかもしれません。苦味はまったくなくコクも感じないので、ラガービールを好む人間にとってはもっとも忌むべきビールではないかという気もしますが、違います。コロナはもはやラガーとかエールとかいうジャンルを超えて、コロナというジャンルなのです。ジュースのようにがんがん飲むビール。ライムをつっこんでがんがん飲むビール。それでいいじゃない。それこそコロナだと思っています。
以上、15個のビールを紹介しました。総括としておすすめするなら、ラガーはムースヘッド、エールはスチームワークスのフラグシップがよいと思います。個人的にノーティーネイバーなんかもおすすめ。このまとめ記事はまだ始まったばかりなので、これからも定期的にお伝えしていく所存です。
しかしこうして改めて写真を並べて見ると、本当に汚いですね。ミラーレスを取り出すのが面倒なのでこれらはすべてスマホのカメラで撮っているのですが、カメラのクソ具合が顕著に現れていると思います。iPhoneならもっと綺麗に撮れるのでしょうが、ASUS製のこのスマホに期待するのは無理があるのかもしれません。
カナダのビール懐かしいです。私はハリファックスに住んでいたので、キースばっかり飲んでいました。ブルワリーの見学に行ったら(たしか無料だったかな?)ビール飲み放題でした!お土産にTシャツを買い、パジャマにしています◎
ナイーブMEさん、コメントありがとうございます!
MEさんもカナダにワーホリに行かれてたんですよね。
アレクサンダーキースおいしいですよね!飲み放題のブルワリーが街にあったなんてうらやましい・・!
しかもTシャツも持っていらっしゃるなんて。笑 ビール好きの心をくすぐるアイテムですね!!
トロントもスチームホイッスルをはじめいくつかブルワリーがあるみたいなので、今度行ってみます!
リクエストに応えていただきありがとうございます。15本のビールについて書いていただけてとてもありがたいです!知らないビールがまだまだたくさんあるなあと実感しました。
MOOSEHEAD LAGERを昨日ちょうど飲んだところでした。「これぞラガー!という典型的な味がします。」とおっしゃる通り、慣れてない人はちょっと飲みづらいと感じるかもしれませんね。僕は好きな味です。
最近はCiderもよく飲んでいてNova Scotiaのローカルciderだと思うのですが、BulwarkやNo Boats On Sundayを好んで飲んでいます。
カナダのローカルビールを楽しむっていうのも、ワーホリの醍醐味かもしれませんね笑
今回は(1)とありましたので、part2を期待しております。
とても勉強になる記事をありがとうございました。
https://bulwarkcider.com
http://www.noboatscider.com
先生、コメントありがとうございました!
たしかにムースヘッドはアレクサンダーキースとかに比べると少し重たいので、飲みづらいと思う人もいるかもしれないですね。
サイダー!すみません。。実は、サイダーについてはほとんど無知なのです(T_T)笑
LCBOに行くと「なんで酒屋にサイダーが置いてあるんだろう」といつも疑問に思ってましたが、こちらのサイダーはアルコールが入っているんですね。
BulwarkとNo Boats Sunday、早速明日LCBOで探してみます!笑
多くのビール&サイダーがカナダにはありますが、日本ではそう簡単にはお目にかかれないので、気軽に買って飲み比べできる今の環境は非常に貴重だと思います!
パート2もお楽しみに!