あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
年末年始はこれといって家から出ずに「古都」を読み返していました。
「古都」は1961年から1962年にかけて川端康成が発表した小説です。京都室町の呉服問屋の一人娘・千重子と、北山で北山杉と暮らす山娘・苗子の数奇な運命を、京都を彩る四季の情緒とともに描ききっている、僕が過去に読んだ小説の中で一番の傑作と言ってよい作品です。この作品を読むたびに京都への思いが募り、東京にいたころは毎年、京都を訪れていました。
ブログを通じて少なからず文章を書く自分にとってこの「古都」という作品の文章は、僕が畏敬の念をもって目標とし、しかし決して達することのできない到達点なのであります。
パロディ学級通信
僕は昔から、文章を書くのは好きだが下手、という人間でした。少し昔話をしましょう。
僕が書くことを意識し始めたのは小学6年生のころです。担任の先生がワープロで作成し、生徒に配布する「学級通信」を読み、「自分にも作れるのではないか?」と妙な気を起こした僕は、父のパソコンを使って、先生の学級通信の体裁(フォント、文字幅、段組みetc..)をすべて模倣し、しかし内容はバカバカしい「パロディ」を作りました。先生の受けはよく、コピーして生徒に配ってもらえたものですから、それに味をしめて数回は発行したのを覚えています。
おもしろセンテンスの昇華
中学1年生の阿蘇合宿・2年生の修学旅行のあとには、クラスから1人ずつ選抜し、1冊の学年文集を作るという企画があり、いずれも僕の作品が選ばれました。1年生の作品は「ムカデに遭遇したこと」、2年生の作品は「USJで財布を落としたこと」を題材にしたと記憶しています。特に2年生の時のものは「これを修学旅行の思い出として書くのははばかられるが、あえて書かせていただきたい。」という出だしの、今思うとかなり軽妙洒脱な作品でした。
3年生のころには生徒会書記として、長い間発行されていなかった生徒会新聞を自分の一存で復活させ、職員室のコピー機を我が物顔で勝手に使い、新聞を1200部刷りまくって全校生徒に配布するという、我が世の春を謳歌する日々でした。
青い文章
文章に対する自信を大きくくじかれたのが、高校1年生の時に開かれた論文大会です。15歳だった僕は反社会的・反体制的な‥、いわゆる典型的なそういう病にかかっていて、大会のテーマを一切無視して「この大会には意義が見当たらない。」というようなことを書き殴りました。当然、大会の賞にはかすりもせず、この時「俺の文章って駄目なんだ」と痛感することになりました。
はてなダイアリーへ
それから高校・大学・就職してからと、この「はてな」上でほそぼそと日記を書き続けてきました。どれだけ書いても腕を上げた気がしませんが、強いていえば昨年(2017年)は少しだけ上達したかと思える記事が書けました。2月に北海道へ流氷を見に行った「男山、君の袖を濡らす」と、東京のお気に入りの町を散策した6月の「イシマツとジロウチョウ」です。この2本はノリにノッて軽快に書いた記事で、特に北海道のものは知り合い達から「いったいどうしたんだ」と言われるほど好評価でした。後にも先にもこれほどの熱量を持った記事は現れないと思っています。
逆に2017年後半は駄文を垂れ流してしまったと反省しています。なにかしら本を読んでいる間はアウトプットする日記もよいものが書けるのですが、なにも読まない日が続くと途端に文章は駄目になってしまいます。昨年後半はあまり本を読みませんでした。
川端康成のような流れるように美しい日本語を書きたい、というのはもちろんのこと、この日記を書くうえでは、自分の原点「USJで財布を落とした」のように、読み手が読んでいて楽しいと思える「読ませる」文章を書きたいと思っています。昨年、イトシマオから勧められた椎名誠を読み、ラフな文調のエッセイというものに触れました。そういったスタイルも取り入れてみたいですね。
自分の文章についてここまでだらだら書けるとは思いませんでした。ここまで読んだあなたはそうとうな物好きです。12月30日・1月2日と、2日間に渡って幼馴染・檸檬(彼の本名を1文字変えると晩白柚と同じ柑橘類になるので、以前から日記ではこう呼んでいます)が僕の家に押しかけて来、晩白柚の文章と写真を肴に酒を飲みましたので、これを書いてみました。彼もまたそうとうな物好きだと思います。
あけましておめでとうございます。
まだお年玉をもらって・・・
あれ?ここどこ?
猫やぱさん迷子になったっぽい?
文章上手な人の所に来た!
生徒会新聞復活させたとかすごい!
自分の長所ってか好きな事で
何か行動して変える事が出来るって
凄い事だよね。
そんけい!
猫やぱさん、コメントありがとうございます。
ブクマコメントも、ありがとうございました。
正直この記事にスターは付かないだろうと思っていたので、驚いてしまいました(笑)
文章上手なんて、いやあ、照れるなあ‥
大人になると、既存の何かを変えていくことって難しいですよね。
我ながら、中学生の自分を少し尊敬します。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。