大学時代に知り合い、いちばん仲が良かった友人が結婚した。
僕は入学前に浪人したので、周りはひとつ年下ばかりだった。加えて高校時代からもっとも仲が良かったGOが、学年はひとつ上だが同じ大学で同じ学部だったので、どちらかと言うと同級生ではなく、GOとばかりつるんでいた。
とはいえ、大学入学後にできた友人も多くいる。入学後に知り合った友人の中で、いちばん仲が良かったのがBである。Bは入学後のオリエンテーションで隣の席に座っていた。このオリエンテーションでは友達を作ろうと皆必死になっていて、今思うと微笑ましい。僕は前日にGOの家に泊まっていて、カバンの中にプレステのコントローラーを入れていた。入学後のオリエンテーションにコントローラーを持ってきているという謎な状況を、Bがいち早くつっこんできた。我々が仲良くなったのはその時からだったと思う。
Bはしばらくして別の大学の子と付き合いはじめた。Bはたまにその子を僕に会わせたので、僕も彼女と面識はある。彼は鹿児島の出で、卒業後に鹿児島県内で就職した。職場が違えど僕も鹿児島市内で働いていたので、彼と飲んでは二人の状況を聞いていた。今年の3月末に婚約し、8月に式を挙げるとのことだった。
「お前だけは必ず式に来てくれよ」と彼は言った。よくある社交辞令かもしれないが、大学時代最も仲が良かったBである。今の僕の仕事の繁忙度的に、鹿児島に帰るのは厳しいと思ったが、「必ず行くよ」と返事をした。
8月2日(金)は案の定仕事が23時すぎまでかかった上、上司に飲みに連れて行かれたので帰宅は夜2時だった。3日の飛行機は朝7時に羽田発。自宅を5時前には出発しなければならない。1時間だけ寝て羽田へ向かった。
鹿児島空港には10時に着いた。それから鹿児島市内で髪を切ったり(東京で切る暇がなかった)、靴を磨いてもらって時間を潰した。式は16時からで、会場である城山観光ホテルにはすでに大学時代の友人達が集まっていた。
式は本当にすばらしかった。特に式の最後にBが結婚にあたっての決意を述べたシーンでは、年下であるはずの彼が非常に大きく見えて、恥ずかしながら僕は大泣きしてしまった。あまりにも僕が本気で泣いていたので、同じテーブルの友人達が笑っていた。
その後、2次会・3次会と続いて、夜中の何時かに解散した。3次会のカラオケでは、大学時代に皆の前で僕がよく歌っていたクリスタルキングの「愛をとりもどせ」を歌った。もうやらない。彼らとできる大学時代のノリもこれが最後になるだろう。4日の夜、東京へ帰ってきた。
結婚は相手の人生を左右する。まして二人の間にできた子の人生は拘束される。結婚は決してやすやすと行われるべきものではない。僕はこの先もずっとこうやって自分を戒めるだろう。しかしそれはそれとして、Bには幸せな家庭を築いていってほしいと切に願っている。