晩白柚です。今年もよろしくお願いいたします。
コロナ禍の昨今、とりわけここ数日の感染者爆増の状況下においては、カレー屋さん巡りをすることすら憚られる憂鬱な日々ですが、こんな世の中だからこそひとつ体を休めて”養生”したい、そんな願いを叶えてくれるカレーに出会いました。
今回訪れたのは、熊本市中央区南千反畑町(みなみせんだんばたまち)は藤崎宮の目と鼻の先、「養生カレー」さんです。
養生カレー
写真の真ん中にあるような、「養生カレー」と書かれた看板がそっと店先に佇んでいるだけなので、一見ではカレー屋さんだとわからないかもしれません。しかしお昼12時の開店直後だというのに、一気に満員になるほどのにぎわいを見せていましたよ。
店内には2人が座れるテーブル席が3つ、そしてカウンター席が4、5席ほど。壁にノンベジタリアンとベジタリアンのカレーメニューがラインナップされた黒板が掲げられ、インドのビールなどもディスプレイされています。お酒の提供もあるようです。
用意されているカレーは数種類ありますが、他のカレー屋さんとはあきらかに一線を画しているカレーたちです。スパイスから作っているのでスパイスカレーなんでしょうけれども、スパイスカレーというものをオーナーの独自解釈で構成させた、もはや「養生カレー」というジャンルです。
2018年に中央区大江の「インド食堂」で食べたカレー、それに近いものがあると思います。ガチインドカレーです。
今回注文したのは、用意されているカレー全部のせ「スペシャルプレート」(1,600円)です。左から辛いイカカレー、冬野菜のサンバル、ほうれん草のダル、ゆずのラッサムの計4種。サンバル、ダル、ラッサムがベジタリアンカレーとなっています。
ところで、サンバル、ダル、ラッサムってどういうカレーをいうのでしょう?
・ダル:豆のカレー。ダルとは豆のこと。ムングダルやレンズ豆を煮込んだもの。
・サンバル:豆と、特に野菜を柔らかく煮込んだものをいう。南インドを代表する料理。
・ラッサム:トマトなどを使った、南インドでよく飲まれているスープ。
厳密には、サンバルやラッサムをカレーと呼ぶのは正しくないという声があります。日本においては一緒くたにベジタリアンカレーとして紹介されているようです。
まずノンベジの辛いイカカレー、かなり辛いです。思わずごほっ!とむせてしまうほど辛い。辛いですが、辛さの奥に深いうまみを感じます。辛さに慣れてしまえば、我を忘れてなんども口に運んでしまうほど味わい深い、中毒性のあるカレーです。
そしてダル、サンバル、ラッサムのベジ3種。非常にやさしい味です。辛いイカカレーで一気に上昇した体温をおだやかに中和してくれます。個人的にベジタリアンカレーというのは然程好みではないですが、こういった具合に辛いカレーとの組み合わせだと光ってくると思います。
養生とは、生活に留意して健康の増進を図ること、あるいは病気の回復につとめることをいいます(大辞泉)が、文字どおり口にすればひとたびコロナウイルスさえぶっ飛ばしてしまえそうな、いやそれは言い過ぎにしても少し体が軽くなるようなカレー。それが養生カレーさんでした。
インフォメーション
【住所】熊本県熊本市中央区南千反畑町11-8
【TEL】080-6236-3635
【営業時間】12:00~15:00、18:00~21:00 日曜・月曜が定休日
(2020年12月17日)