晩白柚です。
前回の記事から1週間ほど空いてしまいました。先週はひさびさにキャンプに行ったりなんやかんやで筆がとれませんでした。引き続き、5年前のフランス一人旅の続きをお送りいたします。
今回は3日目です。旅の折り返し地点になります。いよいよ今回の旅のハイライト、モン・サン・ミッシェルへ向かいます。
TGVでレンヌ駅へ
パリからモン・サン・ミッシェルへ向かう王道ルートは、モンパルナス駅⇒(TGV)⇒レンヌ駅⇒(バス)⇒モン・サン・ミッシェルでしょう。今回、僕が選んだルートです。
TGV(テジェヴェ)とは、フランス国鉄SNCFが運行する、フランスが誇る超高速鉄道です。日本の新幹線に勝るとも劣らない時速300キロメートルでフランスの大地を駆け抜けます。
TGVの予約の取り方・乗り方については、僕の5年前の知識では情報が古すぎますのでここでは省略します。事前にSNCFのウェブサイトで予約しました。日本の代理店で予約すると非常に割高になってしまうので、英語がわかるのであればSNCFを直接利用したほうがよいでしょう。
レンヌ駅行きのTGVはモンパルナス駅から発車します。事前に予約していたチケットを発券機から取り出します。2020年現在も発券機を使うのでしょうか?よくわかりませんが、発券については他サイトを参照してください(投げやり)。
定刻15分前。TGVがやってきました。
TGVには1等車と2等車があります。それぞれの雰囲気を知りたかった僕は、往路に1等車、復路に2等車を予約していました。1等車は広めの座席が用意され、僕は1列シートに座ることができました。席は向かい合わせになっていて、座っていたのは中年の女性。約2時間、とても快適な旅でした。
みそ汁おじさん
レンヌ駅でバスに乗り換えます。レンヌ駅を出て向かって右側に進むとバスターミナルがあったと記憶していますが、わかりづらいです。詳しくは他サイトを参照してください(投げやり)。
モン・サン・ミッシェルまで約1時間。バスにゆられて目的地を目指します。
ぼーっと車窓を眺めていると、
「あの、日本の方ですか?」
斜め前に座っていた男性が日本語で声をかけてきました。見た目は40歳過ぎでちょっと小太りの、どこからどう見ても日本人ですという風貌のおじさん。
そうですと答えると、
「今日、私もモン・サン・ミッシェルに泊まるんですよ」
はあ、そうなんですか。
「安い部屋が見つかったんですけど、一緒に泊まりませんか?」
はい・・?
向こうは、日本人青年に会った安心感もあって、特に何の思慮もなく同泊を提案してきたのでしょう。しかしこちらからしてみれば、いくら男性同士とはいえ、出会ったばかりの見知らぬ中年のおじさんと一夜を明かすなんて怖すぎます。
「もう宿を取っているので・・」
嘘でもなんでもなく、モン・サン・ミッシェルで一泊するための宿を、すでに僕は予約しています。
「そうですか。それは残念」
すみません、と僕が会釈をすると、
「それじゃ、これをあげますよ。きっと日本が恋しくなるでしょうから」
そう言っておじさんは、マルコメのインスタントみそ汁(あさり)をくれたのでした。
モン・サン・ミッシェルに上陸
モン・サン=ミシェル(Mont Saint-Michel)は、フランス西海岸、サン・マロ湾上に浮かぶ小島、及びその上にそびえる修道院である。(Wikipedia)
レンヌ駅を出発したバスは、モン・サン・ミッシェルへ続く橋の手前側に停まります。2014年に完成したその橋は非常に、非常に長く、歩いて渡ろうとすれば40~50分はかかるでしょう。普通の人なら橋を渡るシャトルバスを使うと思います。
しかし、橋の上から見える島の風景を楽しみたかった僕は、シャトルバスが走り去るのを横目に、ぼんやり歩きながらモン・サン・ミッシェルを目指しました。
そうしてついにモン・サン・ミッシェルへ上陸です。
島の中は狭い通路、その脇に古めかしい建物がひしめき合っています。まるで急におとぎ話の国に放り込まれたような気持ちです。通路には観光客があふれ、時折日本人の顔ぶれも目にします。
Auberge Saint Pierre
腹も減ったし、島のあちこちを見て回りたい気持ちもありますが、まずはホテルにチェックインしなければなりません。3つ星ホテル「オーベルジュ・サン・ピエール」がこの日の宿です。
オーベルジュとは直訳すると”旅籠”で、”郷土料理を提供するレストラン付きのホテル”を意味するフランス語である。
僕は基本的に高い宿を取ることはありません。場合によってはカンボジア旅行の時のように、1泊8ドルなどという超汚ドミトリーに泊まることすらあります。今回のフランス旅行においても、前日の「ホテル・カメリア・インターナショナル」は1泊60ユーロほどでした。
モン・サン・ミッシェルについて言えば、我慢して対岸のホテルを取れば100ユーロ未満で済むでしょう。しかし島の中に宿を取ろうとすると、値段は一気に跳ね上がります。この「オーベルジュ・サン・ピエール」は250ユーロ以上したと記憶しています。
さはさりながら、世界遺産の中で寝てみたいというトラベラーの野心が、この宿を取らせることとなったのでした。
ホテルの古めかしい西洋風の風貌は、本当にいかにもおとぎ話に出てきそうな外観ですから、僕のような男が泊まるのはすこし勇気が要りましたが、女性の方はきっと満足すると思います。あいかわらず写真が少なくて恐縮ですが、すばらしいホテルなのでご興味のある方はウェブサイトの写真を見てみてください。
Auberge Saint Pierre
【住所】Grande Rue, 50170 Le Mont-Saint-Michel
【TEL】+33233601403
【ウェブサイト】https://www.auberge-saint-pierre.fr/ja/
次回はモン・サン・ミッシェル内を散策し、ついにあのオムレツを食べます。長くなりましたのでまた次回。
(2015年9月23日)
追記
- まなおさん(id:manao-life)
ブコメありがとうございます。モン・サン・ミッシェルの橋いいですよね。静かに海の音が聞こえる橋の上をのんびり歩いて、少しずつ島が大きく迫ってくるあの感じ。シャトルバスに乗っちゃう人結構多いと思うのでぜひ歩いてほしいですよね。
びっくり😵
一緒に食事でも、という流れならばともかく…。
見ず知らずの人と同室なんてさすがに冒険が過ぎますよね、あり得ないと思います。
それにしても晩白柚さん、なかなかネタには困らない旅をされてるようで😅
続きが楽しみです。
べあとりすさん
僕は相手が一人旅で邪魔にならないようであれば、夕飯をお誘いすることもあるのですけれど、さすがにおじさんと同泊は無理でした。
彼の理屈としては、部屋をシェアすれば宿泊代がもっと安くなりますよねってことだったみたいですが‥
ふふってなるネタはこれが最後なので、いよいよネタに尽きそうです(笑)
いつもありがとうございます!